WiSΗ

「美優!!一緒帰れる?」

そういってるのは
あたしの親友の
札本由美子。

「うん」

あたしたちは
小学校が同じだった。

「夏休み中かなんか嫌なことでもあったの?」

「えっ?」

あたしは
驚きをかくせなかった。

「美優、笑顔がないんだよ…。いつもの美優じゃないから…」

由美子は
だんだん声の音量を下げていった。

「別に何も」

ゴルフやめた
なんていったら
由美子はどう思う?

お兄ちゃんは
あたしに
誰にも言うなって
言った。

由美子の家に着いたとき
雨が降り出した。

「通り雨だな」

って言って
あたしを車庫の中で
雨宿りされてくれた。

「あたしはどんなときでも美優の見方だから。」

涙が出そうだった。

だから
涙が出ないように
上を向いた。

「無理しなくていいよ。誰にも言わない。」

由美子を真っ直ぐに見つめた。

あたしは頷いた。

由美子には
本心を言おうと。
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