WiSΗ

「なんもない。」

鈴村の彼女は
同じクラス。

山井藍梨ちゃん。

通称 山ちゃん。

2人とも
あたしが2人の関係を知らないとおもってるみたい。

「なら答えかいちょって。」

そういわれ
渡されたプリント。

「嫌だ。」

あたしはプリントを返した。

「おねがいっちゃ!」

何度いっても終わらないから
書いた。

9月中は
ずっとこの席順。

あたしは
サイドの席の1番隅っこ。

その前に鈴村。

向かい側に山ちゃん。

あたしたちの学校は
コの字型の授業をしてる。

先生の目が届くように

らしい。

だけど
前とはまったく変わってない。

鈴村は毎回の授業で
後ろを向き
あたしのものをとっては
遊んでる。

給食のときは
よくこぼして
「ティッシュ!」
なんていって
あたしに助けをもとめる。

山ちゃんと鈴村は気付いてないかもしれないけど
山ちゃんは
鈴村が何かするたびに
見てるよ。

はっきりいって
鈴村があたしに話しかけてるときなんて
目が怖いんだよ?




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