WiSΗ
あたしは
少し辛い過去を思い出した。
あたしが中2のとき。
少し荒れていた。
ゴルフも勉強も家族も
なにもかも嫌だったとき。
いま考えれば
有り得ないくらい。
友達は
今ならいえるけど
正直怖かったなって言うくらい。
あたしは
恋をした。
それは本当の恋だったのかはわからない。
ただのノリだったのかもしれない。
その相手は
スポーツもできて
勉強もできる人だった。
話したこともない人。
あたしと
真逆の人。
メールばかりしてた。
いつしか
あたしが好きだと言うことは
学年全体でバレていた。
わざと
名前をその人で呼ぶ人もいた。
ある日の夜。
たまたま家に
1人だったときがある。
携帯に着信があった。
サブ画面には
あたしの好きな人の名前が表示されてた。
「もしもし?」
あたしは不安ながらにでた。
「もしもし?」
「誰?」
「おれおれ!」
よく考えてみれば
話したこともないんだから
声なんて分かるわけない。
「何?切るけー。」
わざと冷たくした。
どきどきしてて。
嬉しかった。
だけどよく聞くと
その人の周りには
たくさんの人がいることに
気付いた。