WiSΗ

ちゃんと
前向け!

心の中で叫び続けた。

ちょうどいいタイミングで
先生が入ってきた。

それでも
あたしの方を向いたまま。

「前向け!」

「知ってるっつーの!」

山ちゃんは
ずっと鈴村のことみてる。

きっと
話すなって思ってるよね。

ごめん。

「鈴村ってさ美優ちゃんと話すときなんかみんなと違う。」

…。

あたしは
心が割れていくのを
感じた。

あたしのことじゃない。
鈴村のこと。

「そうかな?普通だと思うよ。」

「なんか明るいってかなんか違う。」

掃除中の話。

あたしは
うまくちりとりの中に
入れられなかった。

口の軽い子からの言葉。

何を言われるかわかんない。

「おい梶山!」

タイミング悪すぎ。

「掃除しろ!」

「お前がしろ!」

頭を叩かれた。

鈴村が去っていった後

「ほらね!」

にやにやしながら言ってきた。

「それにさ前に美優ちゃんの食べかけ普通に食べてたじゃん。」

あぁ。
どこまでみてんの…

「あれくらいみんなしてるよ。」
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