WiSΗ

もし美優に彼氏できたら
見せろよ。

なんて言われた。

ゴルフ忙しくて
作るヒマないよー。

心の中で叫んだ。

「お兄ちゃんこそ!」

お兄ちゃんは
携帯をいじってる。

「ほら」

携帯を投げられた。

そこには
女の人と写ってるお兄ちゃんがいた。

「もしかして…」

お兄ちゃんは
ほんのり顔を赤くした。

「俺の彼女…。まだあるよ。プリクラ」

そう言われ
次のを見た。

あちゃー!

ちゅーしてるよ?

「お前が照れてどうすんの?」

お兄ちゃんは
ケラケラ笑う。

「照れてないよ!」

顔赤いもん!

そんなこと
言ってるお兄ちゃんこそ
赤いよー!

「お兄ちゃんのばーか!」

お兄ちゃんは
あたしが部屋に戻ろうとしたとき

「待って!」

お兄ちゃんに手をつかまれた。

「何?」

「何かあったら、何でもいえよ。」

こんなお兄ちゃんの
顔を見たのは初めてかもしれない。

真剣な目をしてた。

「わかった。ありがとう」

あたしは
部屋に戻った。
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