WiSΗ

横からは
常に視線を感じる。

中尾くんは
いつも
にやにやしてる。


歌が終わって
みんなが帰り
アルトのメンバーだけで
練習をしようとしたとき
鈴村のことが好きな子がきた。

あのときの子。

「どうしたの?」

「あいついつ別れるかな?」

「はぁ?」

あたしは
頭の中の何かが切れる音が
聞こえた。

友達は

「それは違うよ友里亜!」

友里亜ってのは
鈴村のことが好きな子。

「なんで?あたしは1年8ヶ月も好きなのにあっちはまだちょっとじゃん!」

「好きなのに時間なんて関係ないよ。」

あたしは何だか
とまらなかった。

「前は分かってるって言ったじゃん!」

「はぁ?」

「好きな人の幸せを願うのが本当じゃん!なら友里亜と付き合ったら鈴村は幸せなん?」

「うちもそう思う。好きな人がよければそれでいい。」

友里亜は
ふくれっつらで
出ていった。

「言い過ぎちゃったかな?」

「美優はあってるよ。その通りだよ。」

友里亜は
少しぽっちゃりしてる。

あたしと身長変わらないけど
女子の中では
1、2を争うくらいだと思う。

鈴村は
何が1番幸せ?
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