WiSΗ
第四章 試合

放課後
あたしは
黒板の右下の方に

10/14 かじみゆ休み

って書いた。

誰もいない教室に
1人でいた。

今日は金曜日。

月曜日は祝日で休み。

14日の火曜日は
ゴルフの試合があるから休み。

クラスのほとんどの人には
休むって言った。

だけど
鈴村には言わなかった。

だけど
なぜか鈴村は知ってた。

帰る前に
鈴村は

「試合で1位やなかったら500円ね。」

そういってきた。

あたしは
なんで知ってるん?

っていおうとしたけど
やめた。

「500円も?」

「嘘っちゃ。頑張ってこい。」

鈴村は
そのまま帰っていった。

あたしは
何だか動けなかった。

動きたくなかったんだ。

この連休中に
2回試合がある。

土曜日は
あるゴルフ場が主催するジュニアの試合。

月曜日は
試合への予選会。

あたしは
休みたくなかった。

4日間も
会えない。

あたしの心には
確実に
鈴村が入ってきていた。

だけど
そんなこと
許されない。






あたしは
人を愛する資格はないんだ。

だから早く忘れよう。

悪い夢をみてるだけだよね…。
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