WiSΗ
金曜日は
テストだった。
あたしの頭は
全く働かない。
ただ腹痛と
吐気だけがする。
ずっとずっと。
いつもなら
簡単に解ける問題も
凄く難しく思えた。
給食時間。
あたしはいつもの様に手を
洗っていた。
「いや!!」
水をかけられた。
ケラケラと笑う声が聞こえた。
誰って聞かなくてもわかる。
「バカー!」
「水かけたらぶっ殺すぞ?」
いつもの脅し。
ちょっと前まで
あったことなのに
凄く新鮮に感じた。
「もぉ知らーん!」
「別にいいよーだ!」
「梶山…」
そう呼ぶ声が
悲しそうに聞こえた。
振り返ると
鈴村がすぐ後ろにいた。
「なっ何?」
もしかして…
あたしは
とっさに逃げた。
「おい!梶山ー」
鈴村の手は
べちょべちょだった。