WiSΗ
県ジュニアの大会が
始まった。
はっきりやる気がなかった。
だから
練習だって適当だった。
今までは
“ライバルだ!!”
そう思った人は
今考えれば
遠い遠い存在になっていた。
そして
“こんな人論外だよ!!”
そう考えてた人も
いつの間にか近いレベルで。
正直ビビった。
だけど体はそれを受け止めなかったんだ。
1日目は
成績が悪すぎた。
みんなからは
どうしたの?
そう聞かれた。
みんなあたしより
背が高くて。
見下ろされてた。
怖かった。
「美優!!」
お兄ちゃんだ。
姿が見えない。
あたしの前には
先輩たちがいて。
お兄ちゃんと仲良くしてた。
「お兄ちゃん!」
聞こえてる?
「美優!」
お兄ちゃんは
先輩たちをかきわけて
来てくれた。
そして優しく抱きしめてくれた。