WiSΗ
第五章 決定
文化祭。
あたしは
今日はなにもすることはない。
ただステージの上で
演劇をする人たちをみるだけ。
「美優ー!おはよう!」
倫紀が
はしってこっちにくる。
筆箱をもって。
「今日も書こ?」
そういって見せてくる腕。
それは
仲のいい人の名前を書いてる。
昨日も書いた。
倫紀と美里ともう1人の仲のいい子。
あたしがクラスにいないときは
大概一緒。
あたしも
倫紀や美里がやっているように
書いた。
「今日はバージョンアップ!右腕だして!」
倫紀は
水色のポスカで
すらすらと文字を書いた。
“たつや”
?
「美優!!倫紀のも書いて!」
「なんて?」
「あいつに決まってるじゃん。」
好きな人かな?
あたしは
たつひこって書いた。
あ…。
たつやって。
「美優、最近、高山達弥くんの話しないね」
「倫紀にしかはなしてないから…」
「そっか!」
「もう時間ヤバいから戻るね!」
思い出した。
あたしは
3年の始めくらいから
他中の男子に
恋をした。
その人のことは
何も知らない…。
共通点は
ゴルフ。
今になれば
なんでって感じ。
あたしは
その人を愛せばいい。
誰にも迷惑をかけない。