WiSΗ

「これあまーい!」

達弥くんは
無理をしながら
口に運ぶ。

「食べなくていいよ。」

あたしは
フォークをとった。

「食べるん?」

「そうだよ。」

あたしは
頭がほわほわしてて
チョコレートの味なんて
分からなくなってた。

「あのー。」

倫紀たちが
にこにこしながら
話しかけてきた。

「そっちだけで盛り上がんないでよー!」

「ご、ごめん。あたしそろそろかえるね!ばいばい」

あたしは
夢だって分かってきたけど
認めたくなかった。

「待って!美優…」

あたしの腕は
達弥くんに
捕まれてた。

「ごめん…。」

あたしは
すぐに起きた。

涙が出てた。

あたしは
もうマイナスに考えることは
控えようと思った。

だから
これは
神様の贈り物だと
思った。

だって
あたし達弥くんと
話したことって
ないと思う。

あたしが初優勝したとき

おめでとうございます

っていってくれて
達弥くんもそのとき優勝してたから

おめでとうございます

って
言っただけ。

たったそれだけ。

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