地底人、拾っちゃいました☆だから私は彼を地下に埋めてあげるんです☆
私が真剣に困っているのに宇崎は追い打ちをかける。



「人がトイレに行っている間に、全部食ったんだもんな。」



そうあれは、10分前の過去にさかのぼる。



おいしそうにアイスをほおばる私を真剣な表情の宇崎。



私の左手にアイスを預けた宇崎はトイレに行ってくると言いその場を去った。



宇崎の姿が見えなくなると、



私はなんとなく左手にあったそれを食べた。



ついでに右手に持ってた自分のアイスも食べた。



それはもう遠い昔の話だ。



なんとなく食べちゃったのだから、罪はない。



時効だ。時効。



「絵里、そういうのは自業自得っていうんだぜ?」



「宇崎はわかってないな。」



宇崎の天パはいつ見ても鳥の巣みたいだった。



相変わらずふさふさと上下に運動する。



いや、今日は雨が降っているせいかふさふさ具合が少し鈍い。



「何がだよ。」



宇崎を首を傾げ聞く。



「たとえば、食パンを食べることについて考えよう。」


宇崎に丁寧に説明する私。



「右手でちぎった時に左手にはパンを持っている。つまり、その時の私は両手にパンを持っている。」



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