地底人、拾っちゃいました☆だから私は彼を地下に埋めてあげるんです☆
しかしまぁ、どのメロンからいただこうかなぁ。


「友達に『好き』ってこと教えてやったのか?」



「ううん。全然。宇崎も一個食べる?」



宇崎はうなずいて手を伸ばした。



「教えてやらねぇの?」



宇崎は手にした私のメロンを一切れ食べた。



「何かが好きってのはなかなか言わないものよ。」



そんな機会があれば話は違うんだろうけど。
今の場合だと、メロンは好きとかは簡単に言えるんだけどね。



「それに『好き』ってこと、本人以外から言われても困るんじゃない?」



「確かに。」



「結局は、本人の問題だからね。」



そう言ってもう一つメロンを口に入れた。



「苦いかな…。」



「そう?俺はやさしくて甘いと思うよ。」



「宇崎わかってないなぁ、甘すぎるってのは時に苦みがあるんだよ。」



「お友達の恋愛がか?」



「んにゃ、今のはメロンの話。」




「お前、食い気ばかりだな。」


すると、おもむろに宇崎は持参した袋からみかんを1つ取り出した。
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