地底人、拾っちゃいました☆だから私は彼を地下に埋めてあげるんです☆
そのまま、帰ろうかと思ったが…いや待て。



会社の近くだ。かなり人通りが多い。



しばらく遠くから様子を見ることにした。



まず、彼に一番近づいてきたのは2人組のOL。


しかし、透明ゲイさんは気が付かれずに踏まれてしまった。



「ふぎゃ~!?」




なんでだろう。


踏まれるってわかってるのに道で寝てる透明ゲイ。


趣味なんだろうか?



それからしばらくして別のOL。



右手にはダーツとサラダをいっぱい持っている。



やっぱりつまずいた。



「ぎゃ~」



手に持っていた小道具が透明ゲイの足に刺さる。




…たぶん、このゲイは無敵なのだろう。
まだ寝てる。




「もぐもぐもぐ」




OLが落としていったサラダを食べるゲイ。
何も言わないがもぐもぐと口を動かしているのがわかる。




それから何度も踏まれていた。



「おじさんさぁ、何やってるの?」



たまらず、私は聞いてみた。



「きがつて、欲くして」



そう言った。



「はぁ、わかったよ。」




とりあえず、
私はカバンの中からマジックを取り出し
透明人間の脇腹に文字を書いてみた。



『ここに、段差有』



透明人間は何が書いてあるのか読めないのだろうか?
どういう意味?どういう意味?と繰り返し聞いてくる。



「おじさん、これで寝てても気が付かれるよ!よかったね」




透明ゲイさんは何かお礼を言っていたような気がする。




その後の様子も気になるけどそろそろ、帰ろうかな…。




…いやいや待て。




…やっぱ、帰ろう。




私は、こうして家に帰ることにした。
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