地底人、拾っちゃいました☆だから私は彼を地下に埋めてあげるんです☆
そうすると私はもぐ次郎の顔に
二重丸を書き込んでやった。
真ん中は真っ赤な色。
腫れていたとしても目立たないようにしてやったわけだ。
「…元気か?もぐ次郎。これでお前は殴られないからな!!」
私は思わず、彼に語りかけた。
「!!」
少しだけ喜んでいるのだろうか何度もカクンカクンと頷いている。
そして私は、昨日彼に渡した空き缶に目を向けた。
「…帰りの飛行機代、集まった?」
そう言い、彼の手にしていた空き缶を振ると…
「結構あるじゃん。」
数えようとしたとき、もぐ次郎のそばにあるものを見つけた。
「…ん?」
しかし、ひどい人間もいるもんだ。
ゴミだろう。
リヤカーに、ダーツ、そしてスコップが捨ててある。
「もぐ次郎!お前、日本ではこれはいけないことなんだからな!!注意しろよ!」
「……?」
何度も、何度もうなずくもぐ次郎。
しっかり計算した結果、
たった一日で¥819円も集まってやがった。
しまった…。
コイツの出身地、
スウェーデンじゃなく茨城ぐらいにしておけば良かった。
そしたら、茨城の土だったら自力で掘って帰れたのに。
まぁ、仕方がない。
もぐ次郎にはスウェーデンに帰ってもらわなくては。
「もぐ次郎!!一日でこれだけ稼いだんだからあと、数日で帰れるぞ!」
またまた頷くもぐ次郎。