地底人、拾っちゃいました☆だから私は彼を地下に埋めてあげるんです☆




そうすると私はもぐ次郎の顔に



二重丸を書き込んでやった。



真ん中は真っ赤な色。


腫れていたとしても目立たないようにしてやったわけだ。



「…元気か?もぐ次郎。これでお前は殴られないからな!!」




私は思わず、彼に語りかけた。




「!!」



少しだけ喜んでいるのだろうか何度もカクンカクンと頷いている。



そして私は、昨日彼に渡した空き缶に目を向けた。



「…帰りの飛行機代、集まった?」



そう言い、彼の手にしていた空き缶を振ると…



「結構あるじゃん。」



数えようとしたとき、もぐ次郎のそばにあるものを見つけた。



「…ん?」



しかし、ひどい人間もいるもんだ。



ゴミだろう。



リヤカーに、ダーツ、そしてスコップが捨ててある。




「もぐ次郎!お前、日本ではこれはいけないことなんだからな!!注意しろよ!」



「……?」



何度も、何度もうなずくもぐ次郎。




しっかり計算した結果、



たった一日で¥819円も集まってやがった。



しまった…。



コイツの出身地、



スウェーデンじゃなく茨城ぐらいにしておけば良かった。




そしたら、茨城の土だったら自力で掘って帰れたのに。




まぁ、仕方がない。



もぐ次郎にはスウェーデンに帰ってもらわなくては。



「もぐ次郎!!一日でこれだけ稼いだんだからあと、数日で帰れるぞ!」



またまた頷くもぐ次郎。

< 66 / 205 >

この作品をシェア

pagetop