地底人、拾っちゃいました☆だから私は彼を地下に埋めてあげるんです☆
河原につくと


私は一生懸命に穴を掘った。



穴が深くなってくると出られなくなるためハシゴを使った。



もぐ次郎が帰る道を少しでも短くしてやろうと、できる限りのことをした。



2m位掘っただろうか?



大きな穴ができた。



私の後ろにあるリヤカーに乗ったダンボール箱を取り出す。



…疲れてるな。



重くてなかなか持ち上げれない。



すると、穴の方で



「ああぁぁぁぁ~」  ドサッッ



なんて音が聞こえた。



誰かいるのか…?




「そうだ!手伝ってもらおう!!地底人が帰るんだ!」



後ろを振り向くと、誰もいない。



穴の奥も暗くて何も見えない。



きっと、私の空耳だったのだろう…。



誰かに手伝ってもらいたい精神がそんな音を聞かせたのかもしれない。



そんなこんなで穴にもぐ次郎を見送る時が来た。
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