地底人、拾っちゃいました☆だから私は彼を地下に埋めてあげるんです☆


「じゃあなもぐ次郎!元気でな。」



そう言いながら、ダンボール箱を穴の中に投げ入れた。



「うげっ!!」



暗くてよく見えないが、なんか聞こえた様な気がする。



…分かった。



地底人のお礼だ!



私はこれだけ頑張ったんだからな!!



それから、スコップで穴を埋めた。



土をかけながら気が付いた。



穴を2mくらい掘ったはずなのに



もぐ次郎の入ったダンボールは地上ギリギリにある。



う~ん?誰か下にいるのか?



いや、きっと地底人の魔力かなんだろう。



地上では力が出なかったもぐ次郎も



きっと地中では自由自在なんだ!!




そして…無事、穴埋め完了。



地底人のもぐ次郎は無事に帰れることだろう。



私はほっと一息をついた。


ここには


地底人との友好の証である『スコップ』と


この送り届けるために使用したマシン『リアカー』がある。


私達の友情の証である『ハシゴ』



それらをここに置き、思い出とすることに決めた。


そう、別れって奴は引きずっちゃいけない。



< 72 / 205 >

この作品をシェア

pagetop