愛してると囁いて【短編】
「――…かつ…君…好き…」
『好き』
歌音のその言葉が俺の中でエコーする。
なんというか……不覚にも俺は胸が高鳴るのを感じた。
放課後、後輩から告られた時には感じなかった症状だ。
それを表には出さず、俺は更ににんまりと笑みを深めた。
「歌音…それはラブ?ライク?」
「えっと…ライ…」
「…歌音?」
「うっウソウソ!ラブ、ラブだよ!!」
凄みのある声で囁き、こまれで以上に近づくと真っ先に否定した。
そんなに俺に近づかれるのか嫌なのか…胸の奥がチクリと痛むのを感じる。
まあ歌音は歌音でバリバリ警戒してんだから仕方ねぇか。
「ラブ…?俺、英語苦手なんだよね。訳して言ってよ」
「え…さっき使ってたじゃん…」
「……歌音ちゃん?」
「わ、わかった、わかった!!あたしが訳してあげるよぉ!」
また、手をブンブンふって断固否定された。
また、胸がチクリと痛んだ気がした。
なんだよこれ。ムカつくな。
癌か?嫌だなー。
「ほら…歌音、言えよ…」
俺が更にそう促すと、歌音は赤いままの顔で「…じゃあ一回だけだよ」と言って深く息を吸った。
「………かつ君」
「なんでしょうか」
「……愛してるよ…」
『好き』
歌音のその言葉が俺の中でエコーする。
なんというか……不覚にも俺は胸が高鳴るのを感じた。
放課後、後輩から告られた時には感じなかった症状だ。
それを表には出さず、俺は更ににんまりと笑みを深めた。
「歌音…それはラブ?ライク?」
「えっと…ライ…」
「…歌音?」
「うっウソウソ!ラブ、ラブだよ!!」
凄みのある声で囁き、こまれで以上に近づくと真っ先に否定した。
そんなに俺に近づかれるのか嫌なのか…胸の奥がチクリと痛むのを感じる。
まあ歌音は歌音でバリバリ警戒してんだから仕方ねぇか。
「ラブ…?俺、英語苦手なんだよね。訳して言ってよ」
「え…さっき使ってたじゃん…」
「……歌音ちゃん?」
「わ、わかった、わかった!!あたしが訳してあげるよぉ!」
また、手をブンブンふって断固否定された。
また、胸がチクリと痛んだ気がした。
なんだよこれ。ムカつくな。
癌か?嫌だなー。
「ほら…歌音、言えよ…」
俺が更にそう促すと、歌音は赤いままの顔で「…じゃあ一回だけだよ」と言って深く息を吸った。
「………かつ君」
「なんでしょうか」
「……愛してるよ…」