愛してると囁いて【短編】
愛してると囁いて
「じゃあ問題はー…あたしの好きなもの!!」


「………はぁ?」



そりゃテメェクイズじゃなくて自己紹介だろ。なんて言えず、まあまあ楽勝な問題そうなので俺はそれでクイズにのってやることにした。俺ってば優しい。



「じゃ、ヒントよろしく」


「まかせなさい!じゃあます〜……あたしの好きなものはね、おっきいの」


「大きい…?どれくらい?」


「あたしよりおっきいよ!!」



歌音よりでかい…といったら食い物じゃねぇな。

どうやら好きな食べ物ということではなく、ジャンルは限られていないようだ。


これは案外難しいのかも…



「動物とか…?なら、ゴールデンレトリバーか?」


「ぶぶ〜違いまーす!ゴールデンレトリバーみたいにかわいいんじゃなくって、ヒョロッとしてて長細いの!」


「あ〜?」



やべ、全っ然わからない…


なんだよっ!!


いちたすいちは〜?

たんぼのた〜!!


じゃねえのかよっ!!



「それって生き物なのか…?」


「うん!でね、甘えたさんなんだよー。よくあたしに話かけてくれるの」


「………もしかして…それって…」



………好きな人、じゃねぇの?

話し掛けてるって…歌音自滅じゃねぇか。

人間しか考えらんねぇ。



「それでね!髪は黒でー…身長は170センチくらいかな?」



別に言えって言ってないのにどんどんとヒントを口走る歌音。

ま、こっちにとっちゃ好都合なんだけど、どんだけおバカなんだおまえは…



「でね!足長くて…よくわがまま言うんだよー」



あ、決まりだ…、言うっつったらやっぱり人間しかねぇわ。


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