愛してると囁いて【短編】
今にも逃げ出しそうな歌音の腕を強引に引っ張った。


「…ぃたっ……」


そして俺は…



























唇に柔らかいものが触れた。















俺のより、遥かに柔らかくて…小さい…

……歌音の唇だった。


















唇を離すとしばらくの沈黙。


歌音はよほど驚いたのか、目をパチクリさせて抵抗しない。

しばらくして自覚したのか、唇を震わせたまま動かした。




「い、今のは………ふっ!」



沈黙を破ろうと口を開こうとした歌音の唇をもう一度塞いだ。






なんでだろうな


彼女でもないのに


なんでこんなことしたくなるんだよ


………最低な俺


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