幼馴染みと星と恋心と
「びっくりしたー。陽菜、矢城くんとどういう関係?」
颯斗が教室から出て行ったのをしっかりと見届けてから美波が聞いてきた。
西宮くんもこっちに視線を向けてくる。
「幼馴染みで家が隣。」
少しむすっとしながら答える。
女子のやっかみが面倒で高校に入学してからは誰にも行ってなかったのに。
こんな派手なことしやがって。
「なんか意外だな。花浜は颯斗の話なんてまったくしないし。」
「あいつと幼馴染みってだけで面倒なことがたくさんあるから。」
中学校の間どれだけ面倒だったことか。
「そうでしょうねえ。」
美波は頷いてニコッと笑う。
「でもいいじゃない、イケメンなんだから。」
「…もう見慣れちゃった。生まれた時から一緒だし。」
少し、嘘をついた。
颯斗の顔はいつまでたっても見慣れない。
年を追うごとに身長も高くなって、昔よりもかっこよくなった気もする。
けど、このことはわたしだけの秘密。