月猫ー闇に輝く少女ー
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『これが俺の過去。
 俺は女が恐い。
 すぐ、裏切る女が。
 だから、女を使って、自分の気持   ちに嘘ついていた。
 弱いだろ?』

俺はうつむいた

「そんなことない。」

『え?』

月は両手を俺の頬に持ってきて、
俺の顔をあげさせた。

「約束を破られて、人が嫌いになっ   た。
 けど、玲也はそれでも、人と
 関わってる。
 それは強いからできること。
 僕の間違いだった。
 玲也は空っぽなんかじゃない。」

ツゥーー

あれ?何だコレ?涙?
俺にも涙、あったんだ。

『俺は、汚くないのか?
 女を利用してきたのに?』

「汚くない。
 過去と向き合える心が綺麗な
 人。」

そういった月の顔は今にも泣きそうだった。

『月、ありがとな。』

俺はその時、笑顔で言えたと思う。

        玲也side end
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