月猫ー闇に輝く少女ー
「すまない。」

そして、ぽつりぽつりと話始めた

「最初は確かに跡取りのためだけに
 養護施設を訪れたんだ。
 だが、そこで玲也に会った。
 玲也の瞳は輝いていなかったんだ
 だから、俺たちは玲也の笑顔を
 見たいと思ったんだ。
 何年過ごしても、お前は笑って
 くれなかった。
 だから、俺たちといたくないと
 思ってるんだと思い玲也に
 関わらなかった。」

「まさか、そんなことを
 考えていたなんて、、
 本当にごめんなさい。」

「だって。玲也は?」

月はそういって俺のことを見つめた

『そんなことを思ってくれたなんて
 知らなかった。
 すみませんっ。
 けど、こんな俺でも息子と
 言ってくれますかっっっっっ?』

俺は声が震えた。
そして、目をつぶった。
返事がこわくて。

ギュッ

不意に俺は誰かのぬくもりを感じた。
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