月猫ー闇に輝く少女ー
びくっっ

忘れていると思ったのに。
けど、絶対言わない。怒られるから。

『朝。』

「(一瞬、肩が動いたな。)
 嘘つくなよ?」

『…………ついてない。』

「じゃあ、その間はなんだ?
 朝、何食ってきた?」

『…………空気。』

僕、まじめに答えた。

「空気って。」

あー君、あきれた表情で、こっちみないでほしい。

「俺らは、月が心配なんだよ。
 教えてくれないか?」

そんな泣きそうな顔で言わないで。
あー君。

『ごめん、心配かけて。
 食べたの5日前。』

「マジか。
 それ、雄二逹は知っているのか?」

『知らない。
 お父さん、仕事。
 お母さん、仕事だから』

「潤、翔は?」

『騎龍が忙しくて、会ってない』
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