月猫ー闇に輝く少女ー
來side

月がトイレに行った。

「あいつ、全然なつかないだろー?」

『はい。』

俺は苦笑いで答えた。
詩輝さんは伝説の暴走族桜咲の幹部だった人で俺の憧れでもある。

「あいつ、猫みたいに警戒心
 すげーからな。」

そういって、詩輝さんが笑った。

「けど。お前らなら、
 月の闇を救えるかもな。」

詩輝さんは泣きそうな顔をしていた。
辛そうな。

「大丈夫だよ♪
 月ちゃんは僕が助けるよ。
 僕、月ちゃんに過去話すし。」

元気よくこたえた春樹。

ん?こいつ過去言うって言ったか?

『おい。言うのか?』

「もちろん♪
 月ちゃんは僕を救ってくれると思   う」

「月はいいやつだから、
 信用しても大丈夫だ。」

月と詩輝さんの関係が
よくわからない。どんなに聞いても、
教えてくれない。

詩輝さんは厨房に戻った

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