隣の女
別に、だからといって
雰囲気が悪いわけではない。

朝子を除けば全員50歳代で、
母親の年代というより
母親の妹の世代という
感じで、特に意地悪も
されることもなく若い頃から
適当に可愛がられてきた。

環境には特別に不満はない。

あえて言うなら、

『お給料をもう少し
 なんとかしてもらいたい‥』

ただこれだけである。

贅沢をしなければ暮らしては
いけるが‥
あのハデージョのような生活は

逆立ちをしてもできない
ことだけは間違いない。

せめて、たまには欲しい物が
思いっきり買える生活は
できないものか‥

給料日が来るたび、
思わずそんな事を思う
自分がいる。

それは、悲しい‥というより、
妙に切ない気分である。







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