隣の女
ハデージョがいつも乗ってくる駅に

到着して、電話をかけ道順を聞いた朝子は

その場所がこの間のおんぼろアパートとは

逆の方向であることに気付いた。

「さすがにあそこでお料理教室は

 やらないんだぁ。」

言われた場所に到着して、朝子は

仰天した。

そこはこの辺りでも有名な

超高級マンションだったのである。

「ひぇっ!こ、ここなの?

 一昔前に億ションで有名になった

 マンションじゃない‥わぁ♪」

言われた部屋番号を押すと

インターフォン越しにハデージョが

「あぁ、お待ちしてました。どうぞ♪」

まるで高級ホテルのようなエントランスを

入って、エレベーターホールに

進むと、朝子は

「すっごぉい!やっぱ、億ションは

 違うわねぇ‥」

エレベーターを降りて、進み

302号室のドアフォンを鳴らす。

「いらっしゃい。さぁ、どうぞ。」

ドアが開いた玄関には大理石の床が

見えた。

「すごいお家ですねぇ。びっくり

 しちゃいました。」

「とんでもない。場所をお借り

 してるだけですから。」

「さぁ、入って♪」


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