隣の女

一体誰‥?

朝子は思い切って隣の男に聞いてみた。

「あ、あのぉ~失礼ですがあなたは?」

「あ、これは失礼しました。僕は

 速水翔子の弟で速水翔、ショウです。」

「あ、あぁ、弟さん。こちらにお住まい

 なんですか?」

「え?ここは、僕の彼女の家です。」

「彼女の‥?」

「ほら、姉の助手みたいにしてた女性が

 いたでしょ?」

おそらく最初に朝子に声をかけてきた

あの女だ。

でも、彼より随分年上のような気がする

のだけど‥。

「あ、あぁ、はい。あの方‥。」

「あ!随分僕より年上だって思ったでしょ?」

図星だ。

朝子は慌てて

「そ、そんなぁ。別に‥」

「いいんですよ。あはは。冗談です。」

「えっ?何が冗談?彼女ってこと?」

「あっはっは。正直な人だなぁ。

 彼女というのは事実ですよ。

 そして、あなたが思っているように

 僕よりも12歳年上です。」

朝子は顔から火が出そうなくらい

真っ赤になっていた。

< 38 / 51 >

この作品をシェア

pagetop