隣の女
「あっはっは。ほんとに正直な人だな。」

朝子はもう何も言えなかった。

「僕、そういう素直な人大好きですよ。」

『お、おい、こ、こいつ、こうやって

 無邪気な顔して歯の浮いたセリフ言いやがってぇ‥おばさんキラーかいっ!おばさんをなめるなっての!』

朝子は心の中でそんな事を思いながら

怪訝そうな顔で翔を見た。

「そ、そんな目で見ないで下さいよぉ。僕はただ正直に話してるだけなんだからぁ!誤解しないでよ。」

そこへ、ハデージョがやってきた。

「こらっ!翔、あなた、またお客様に失礼なことを‥ごめんなさいねぇ。」

朝子は、二人を驚いた様子で見比べながら

「い、いえ、弟さん‥なんですか?」

「そうなんです。年が離れてまして。

 大学4年生なんです。就職するつもりはない‥なんてバカなこと言ってるんです。」

「人聞きの悪い事言わないでよ。僕は、姉さんの会社で今までも手伝って来たんです」

朝子は、別に興味もなかったので

「あ、そうですか‥。」

と、無愛想な返事をした。


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