Merry Christmas!
それから、何があったかというと、だ。
風間君は模擬店の店員なので長居は出来ない。
風間君との話は面白かったが、もう会うことはないだろう。そう思っていた私に、風間君がいったのだ。
アドレス、教えてくれませんか、と。
今思うと、すごい展開。
漫画みたいなそれに、私は思わず『私の?』と聞き返してしまった。それに風間君は『すみません、ナンパみたいで』と謝る。何だかおかしくて、アドレスを交換したのだ。
それから―――今。
風間君は、私の彼氏である。
カフェを出て、安くなったケーキやちょっとした料理の詰め合わせセットなんかを買う。
お酒は家にあるから、大丈夫だろう。雪道を気を付けながらアパートへ帰り、一息。
子供の頃のこの時期といったら、何だか落ち着かなかった。サンタクロースにどんなプレゼントをお願いするか、妹と話したりしていたのを思い出す。サンタクロースは私の欲しいものを中々くれなかったが、それでも楽しみだった。
ケーキに、いつもより豪華な料理。靴の形のした入れ物には、お菓子がつまっているもの。
大きくなってからでも、クリスマスケーキは食べていた。あのサンタの人形のようなものが乗った、白いクリームに苺のケーキ。それだけでちょっとわくわくしてくるのは、クリスマスマジックだと思う。
流石にサンタクロースは来なかったが、クリスマスは毎年そうやって大体ケーキを食べていた。
ここまでくると、クリスマスにはケーキ!というような習慣になっているのかもしれない。