想いよ…届け！

始まりは…

「玲奈ー！」
彩葉の元気な声が玲奈の耳元に届いた。玲奈は耳をふさぎながら
「うるっさいなぁー！なに？」
耳元で叫ばれたのが不快だったのか少し機嫌を損ねていた。
彩葉は気にせず話し始めた。
「じ、実はね…今日転入生が来るんだってー！今、先生達が職員室ではなしてた！イケメンだといいなぁ！」
玲奈はため息をつきながら、言った。
「速まりすぎだよ。彩葉ー！まだ、男か、女か分からないでしょうが！
断定は出来ないよ。」
玲奈は落ち着きながらいった。
彩葉は、口をふくらましていった。
「も～、玲奈は転校生来るのにそんな落ち着いちゃってつまんな～い！
もっと、盛り上がろうぜ！ほらほら～。」
彩葉は元からうるさいけどいつにもまして、うるさい。
一方で玲奈は落ち着いていて何事にも丁寧にこなす、完璧主義の大人な女の子だ。
(まっ！全く興味が無いって訳じゃないけど、彩葉程ではないしー。）
すると教室の扉が開き、先生が入ってきた。
先生は教壇に立つと同時に言った。
「えー、今日からこの光臨高校にやってきました。佐田信也君です！
入ってきて！」
先生が合図を出すとまた、扉が開いた。
入ってきたのは、茶髪で、背の大きいイケメン男子だった。
それを見た玲奈は、口を開けたままボーッとしていた。
そんなことには、構わず話を続けた。
「佐田信也です。学校の事とかなにも知らないんで、暇な人は教えて下さい。
これから、よろしく。」
「はい。じゃあ、とりあえず玲奈さんの隣あそこに、座って下さい。」そう言うと、信也は玲奈の所に来て笑いながら
「口空いてるよ？」と言った。
その瞬間、玲奈は顔を赤くしながら、
「どうも。」と顔を逸らしていった。