WILL ~あなたの願い、叶えます~
もしその話が本当なら、WILLは私に、新しい雪山友達を作ってくれるのかもしれないと。
あわよくば、的な期待を、少しだけした。


圭輔のことは、裏切られた怒りとか悲しみとか、一緒に過ごしてきた思い出とか愛情とかよりも、もう一緒にスノボに行けないっていう残念感がおっきくて。
考えている内に、彼氏と雪山の比重が分からなくなってきた。

だから。
圭輔が謝りに来ないつもりなら、もう、それでいい。


これから始まるスノーシーズンを丸々無駄にする気はさらさらないのだから、私はWILLで、新しい仲間を探そう。


――あわよくば、新しい彼氏も……なんてことは、別に考えちゃいない。

今のところは。
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