WILL ~あなたの願い、叶えます~
「私は散々罵ってすっきりしたんだけどさあ。何かよく分かんない内に、いつの間にかこの子とアイツが盛り上がってて」

「わきゃああ! みどりさん、その先はもう!」

「……何なのその展開引くわ。マジで引く。もうやだ七瀬どうにかして」

「や、もう黙っててください店長。着いてこなくていいですから」


……ようやく話が見えた。
つまりその後香奈ちゃんと克之があの部屋から消えて。
残ったのが。


「竹内さん、とばっちりだったんだ」

「まーそういう事よ。一番巻き込まれたのはたまたま克之と同部屋だった圭輔だけどね」

肩を竦める竹内さんは、念を押すようにもう一度

「本当に何にもなかったからね、こっちは」

と付け足す。
わざわざ『こっちは』と強調されて恥ずかしいのか、香奈ちゃんは竹内さんの膝に顔を埋めた。
< 137 / 353 >

この作品をシェア

pagetop