WILL ~あなたの願い、叶えます~
「別に、そんな。言われるほど優しくないけど、俺」

「え……!」

ぐい、と力任せに椅子から引き上げられて、無理やり立たされる。

「ああ、そうか」

向かい合う距離が近すぎて、思わず見上げた瞳の奥が読めない。

「優しかったんだっけ、『圭輔』は。思い出しちゃう?」

「――……ッ!」

とん、と軽く肩を押されただけなのに。

後ずさって2歩、ふくらはぎにぶつかったベッドにそのまま、倒れ込んだ。

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