WILL ~あなたの願い、叶えます~
「……ぷっ」

「ふっ」

笑ったのは、2人同時。


夢じゃない。
圭輔だ。


――本物の、圭輔だ。


「……けいすけえええぇー」

両腕を真っ直ぐに伸ばして、ダイブ。

昨日あれだけ泣いたのに奇跡的に残っていた水分が、ほろほろとこぼれ出して――


――『圭輔は、こういう時、どうしてくれるの?』――


「何泣いちゃってんの、バーカ」

ギュってして、チュッてして、ペロリ。

「しょっぱ」

「やだあ。ばかー」

圭輔はこういう時、舐めるんです、店長。
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