WILL ~あなたの願い、叶えます~
圭輔が指す、もう片方のベッドには一切の乱れがない。

当然だ、私が泣き疲れて眠るまで、店長はずっと私の隣で宥めていてくれたのだから。

でも言い訳のしようがない、疑われても仕方ないこの状況で。


――あの人を一瞬でも圭輔の代わりにしようとした事実は、完全に私の罪だ。


「ごめんなさい……!」


真っ先に飛び出した謝罪を、どう捉えたのか。

圭輔の顔が、歪む。


「――謝らなきゃいけないようなこと、したのかよ」


怖い顔。
怒らせた。

せっかく、会えたのに!

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