WILL ~あなたの願い、叶えます~
「やだ……やだ。怒らないで。私怒られなきゃいけないようなことしたかもしれないけど、でもでも怒んないで!」

「何それ。したの? してないの?」

――シた?

「……シてない!!」

「お前それ、ヤってないって意味だろ」


くしゃり、と私の髪をめちゃくちゃにまぜながら、不機嫌そうに追及を続ける圭輔からは、それでもほんの少しだけ、安堵の気配と怒気が和らいだ様子が感じられた。

< 213 / 353 >

この作品をシェア

pagetop