WILL ~あなたの願い、叶えます~
甘く疼く刺激に眩んで、こんなんじゃ話ができない。
身をよじって逃れようとすると、

「やなの?」

耳元に這い上がって囁いて、

「やっ! あ、ちが、うんッ」

甘噛みしたりするから。

話が、できな……


「俺じゃもう、駄目なの?」

「――!?」


苦しいくらいに抱きしめられて、耳の横にある圭輔の顔は、全く見えなくて。

でも声で分かる。

圭輔が、傷ついてる。

私が――傷つけた。
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