WILL ~あなたの願い、叶えます~
「俺もお前がいい。お前じゃなきゃやだ。俺お前のこと信じるから――、だから。……お前も信じて」


胸がきゅっと痛くて、声が出なくなって。
ただコクコクと、何度も、頷いた。


「会いたかった」

また、抱きしめられて。
たくさんたくさん、キスが降ってきた。

圭輔のキスは魔法のキスだ。

熱いお風呂でも店長の優しさでも溶けなかった心が、溶けていく。

溶けて溶けて、素直になれる。


「私も」

伸ばした両手を、彼の顔に触れて。

「ホントはずっと会いたかったんだよ、圭輔」


大好きなあなたに、私からも、魔法のキスを。
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