WILL ~あなたの願い、叶えます~
意識しなくても甘い声が出たのは、その距離感で感じる彼の匂いが――お酒と煙草と汗が混じった、お世辞にも良い匂いとは言い難いソレが、たまらなくセクシーに感じたからだ。

男のフェロモンが滲み出ているうなじを、ついでにつ、と指でなぞった。


瞬間目を覚ました男は、凄い勢いで身を起こし。
その勢いのままに、徳利がテーブルの向こう側まで飛んで行った。


……空で良かった。
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