WILL ~あなたの願い、叶えます~
相手は失恋したての可哀相な酔っ払い。
淋しい独り身のオッサン。

あと数分後にはバイバイして、寝て起きたらきっとお互い今日話したことなんて忘れてる。


そう言い聞かせて、もうしばしの我慢だと。
のんびりと会計が済むのを待ってから、わざとゆっくりと立ち上がる。

移動時間を考えたら、もう終電ギリギリだ。
その方が、無駄な立ち話に付き合う必要もなくさらっと切り上げるのに都合が良い。

そう思って――。
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