WILL ~あなたの願い、叶えます~
シャワーの音が止まる。
あの男が、出てくる。


服を元通り着ていたら、『する』気はなしだ――そう、思って待った。
その気のない男に言い寄るような恥晒しをする気はこちらにもない。


出来れば、服を着ていて欲しいと。
そう願っている自分に、気付いてしまった。

あの男の本性など、別にどっちだって構いやしないはずなのに。


――なのに。

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