WILL ~あなたの願い、叶えます~
熱のこもった息や甘い声が、少しくらいは漏れたかもしれない。
けれどそれをひた隠し押し殺していたのも、お互い様の、バレバレの演技だった。


――それだけだ。
それ以上でも、以下でもなく。


だって最初に約束した。
『サークル内にセフレは作らない』と。


「聡史」と、ふと彼の名を呼んでみた。
その時だけ彼は、いやに焦点のはっきりした目を見開いた。

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