WILL ~あなたの願い、叶えます~
――或いは?

もしも何かが少し違ったら、今日私たちは身体を繋いだかも知れなかった。
もしかしたら、そんなことになる前に、普通の――正しい順番で恋をしていたかも知れなかった。


タイミングひとつで、男は生殺しみたいな目に合わずに済んだかもしれないし、私はもっと素直にこの腕に甘えることが出来たのかも知れない。


なのに不思議と、こんな可笑しな――不埒で誠実で、甘く切ない夜を過ごしたことに後悔はなかった。
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