WILL ~あなたの願い、叶えます~
「―――」


それが、聞き間違いだったのかどうかは分からない。

彼は目を閉じていたし。
寝言だったのか、狸寝入りだったのかも。


名前を呼ばれた、気がした。


衝動的に唇を重ねた。
すぐに罪悪感に襲われて、彼の唇を拭おうと指を伸ばした。

誘うように小さく口が開いて、ぞくりと何かが背中を駆けた。

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