WILL ~あなたの願い、叶えます~
当たり前に名前で呼ばれて、私も自然と『聡史』と呼べるようになった。

イベントの迎えの車では私が助手席に座れるようにルートを組んでくれていたし、ゲレンデでもずっと私のパーク遊びに付き合ってくれるし。


その内サークルのメンバーが『あの2人はデキてる』とはやし立てるようになっても、彼は別に否定しなかった。
嫌な顔もせずにただ意味深に笑って、『ご想像にお任せします』と答えるだけだ。

由紀ちゃんすらこっそり私に聞きにきたくらいだから、きっと職場で聡史は、彼女にもっと弄られているに違いないのに。
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