WILL ~あなたの願い、叶えます~
その内にいつの間にか、彼の『特別』になったような気になっていた。
他のサークルメンバーとは明らかに一線違う立ち位置だったから。

だけど、きっとすぐこの先に進展する日が来ると待っていたのに、それ以上の何かは起こらなかった。


その年のウィンターシーズンが終わる頃に、ようやく気が付いた。

彼は別に私を近くに置きたかったわけではなく、ただ由紀ちゃんと彼氏が寄り添っているところを間近で見なくて済むようにそうしていたのかもしれない、と。
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