WILL ~あなたの願い、叶えます~
「ね。なんか今日、最初、不機嫌だった?」

「え……そう?」

「うん、お店向かってる間。無言で早足で仏頂面で、ちょっと怖かった」

「だってさ」


また、だ。
つまらなそうに視線を泳がせて、唇を尖らす。

三十路を迎えたいいオッサンのはずなのに、こういう仕草は少し子供っぽくて……


そういうとこも、好き。
とか、今さら過ぎて小っ恥ずかしくて、なかなか口になんか出せないけど。
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