WILL ~あなたの願い、叶えます~
沈黙が続いたけど、根気よく「だって」の続きを待った。
待つことにはもう慣れっこだし、その表情を間近で見つめる権利を正式に得た今では、不安のひとつも生まれてこない。


ついに諦めたような嘆息と共に、聡史があの不貞腐れたような態度の真相を晒して。


「もうずっと前から『今日』って決めて準備してたのに、お前のほうから誘ってくるんだもんな。俺がカッコ悪ぃだろ」


――それが不覚にも、あまりにも可愛くて。
……愛しくて。
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