WILL ~あなたの願い、叶えます~
「だってこのまま待ち続けたらおばあちゃんになっちゃうって……ちょっと、やだ。笑わせないでよ」


冬の街を彩る光が滲んで、雪も融けてしまいそうだ。


繋がれた手に幸せを噛みしめていたのに、不意にその手がするりと離れた。
あれ? と見上げた、聡史の瞳がいやに艶を帯びているのは、


「――焦らした分、燃えるだろ?」

「……ッ」


気のせい、じゃ、ない。

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